実需の円買いと欧州問題の綱引きで円高が進む可能性も。
2010年後半の為替相場を振り返ると、米国の実質的な追加量的緩和(QE2)決定を挟み、いくつかの転機があった。@ポールソン議長は、利上げの実施を示唆する。これを受けて市場の流れはQE2実施ヘシフトし、米金利は低下、ドルは全面的に売られた。A11月のFOMCでQE2実施を正式決定。市場は@の過程において内容、規模を過度に織り込んでしまったことから、金利、ドルは反発。そして、B決定を待っていたかのように欧州でソブリン問題が再燃。Aに加え、欧州金融機関を中心としたドル調達ニーズも相まってドルは全面高の展開に。C「ねじれ」議会を抱えたオバマ政権が、ブッシュ減税の延長+aを決定。直前にバーナンキ議長が1兆ドル規模拡大の可能性を示唆していたものの、実質的な追加経済対策が打ち出されたことで景気回復期待と財政赤字拡大期待の両面から、金利は上昇を続けた。D12月のFOMCでは市場参加者の思惑とは裏腹に、金利上昇が実質的に容認された。BやCによる金利上昇が急ピッチであったことから、12月のFOMCでは金利上昇への牽制が入るとの観測が広がっていた。
FRBによる「ゼロ回答」を受けて、米債市場では投売りを余儀なくされた参加者も多く、金利上昇は続き、米10年債利回りは、一時3.5%を超えた。一方、域内の財政問題を受けたユーロはやや値動きの荒い展開が続き、為替相場は一時ユーロ主導となった。 ドル円は、クリスマス休暇による流動性低下が顕著となるなか、年末を控えた本邦実需筋などによる潜在的なドル売りニーズが顕在化したことにより、12月31日には81円を割り込む水準まで円高が進行した。なお、流動性の回復と米雇用情勢改善の期待感、金利上昇などにより83円台を回復している。
前日の為替相場(欧米市場)ではコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁の発言を受け、米金利先高観が強まったことを背景に、ドル買いが優勢となり、ドル/円は83円台前半へ上昇。一方、ユーロ/ドル、ポンド/ドルは軟調に推移した。ユーロはアイルランドの金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果が発表され、同国の銀行の資本リスクが高まったことなどから、ユーロは上値が重い展開となった。FX投資家の方は過度なレバレッジ取引を控えるようにしましょう。