ドル円相場の底入れ宣言なるか
目先、鍵を握るのは米景気回復の先行きとユーロ圏の政府財政問題だろう。米クリスマス商戦は総じて好調だったと報じられている。そのため、1月に発表される12月の経済指標は、小売をはじめ景気回復が底堅く進行中であることを裏づける結果となりそうだ。ただ、年末の動向をもって、景気回復ペースが今四半期に急加速すると見込むのは早計だろう。
我々は、非農業部門雇用者数変化か安定的な増加基調(前月比+15〜20万人程度)とならない限り、QE2は完遂されると見ている。ドル円の底入れ宣言ができると考えている。そして、その後も景気回復が順調に進展していると確認できれば、好調なファンダメンタルズを背景に ドル円は緩やかな上昇基調を辿ることとなろう。
ユーロ圈の政府財政問題は、引き続き相場の攬乱要因となる。 2010年12月に開催されたEU首脳会議では、2013年に恒久的な危機管理メカニズム(ESM)を創設することで合意したものの、緊急支援制度の増額が先送りされるなど、市場の払しょくには至らなかった。
2010年、財政赤字問題が相場の関心を集めたアイルランドやスペイン等PIIGS諸国では、春先にかけて多額の国債償還が予定されており、償還や国債入札のタイミングでは、繰り返しこの問題に関心が高まることも想定される。また焦点が財政である以上、アイルランドの総選挙(3月)やドイツの州選挙(2月から3月にかけて5回)などの政治イベントにも注意が必要だ。リスク回避の動きが強まれば、対ユーロのみならず、円か全面高となる可能性もあるだろう。
年度末に向けた本邦実需筋のフローも短期的な円高要因として警戒しておきたい。ただし、円高が進行した場合も円の戦後最高値(79.75円)を更新することはないと見ている。その理由として、年初円高となった際に下げ止まった81円割れの水準が比較的強いサポートとなり得ること、2010年後半に上昇した米金利が、金融政策の変更が予想されないなかで低下することは見込まれず、日米金利差の観点から一方向のドル安にはなりづらいこと、が挙げられる。
前日の為替相場(欧米市場)ではコチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁の発言を受け、米金利先高観が強まったことを背景に、ドル買いが優勢となり、ドル/円は83円台前半へ上昇。一方、ユーロ/ドル、ポンド/ドルは軟調に推移した。ユーロはアイルランドの金融機関のストレステスト(健全性審査)の結果が発表され、同国の銀行の資本リスクが高まったことなどから、ユーロは上値が重い展開となった。FX投資家の方は過度なレバレッジ取引を控えるようにしましょう。